電動バイクは、維持費も燃料代もガソリンエンジンの原付バイクや公共の交通機関に比べて非常に安く、お得で便利な新しい乗り物です。
しかし、メリットだけではなくもちろんデメリットと言える弱点もあります。
この弱点を理解せずに電動バイクを購入すると必ず後悔することになるでしょう。
今回は、電動バイクの購入前に知っておきたいポイントを5つに絞ってご紹介します。
ポイント
- 一度に走れる距離が短い
- 充電には時間がかかる
- 車体価格がやや高め
- ヘルメット着用が必須
- ルールが変わりやすい
目次
電動バイクのデメリット1:一度に走れる距離が短い
電動バイクはバッテリーに充電した電気の力で走る乗り物です。だから一度に走ることができる距離はバッテリーの性能に大きく左右されます。
4輪の電気自動車と比較すると、電動バイクに搭載できるバッテリーの大きさには限りがあります。
クルマの免許で乗ることができる原付一種クラスの電動バイクなら、一度に走れる距離は長くても50kmといったところです。
但し、原付一種クラスの電動バイクのバッテリーは、車体から取り外して家庭用のコンセントから充電することができる物が多いので、外出先でも容易に充電することができます。
また、キックボードタイプや自転車タイプの電動バイクであれば充電が切れてしまっても人力で走ることができるので非常に便利です。
自転車タイプの電動バイクの中には、ギア付きで純粋に自転車としてのスペックが高い商品もあります。
電動バイクのデメリット2:充電に時間が掛かる
一度に50kmほど走ることができる大容量のバッテリーを家庭用のコンセントから充電するので、充電が完了するまでには非常に時間がかかります。
充電に掛かる時間は、急速充電で1時間程度、低速充電で3〜8時間程度です。
しかし、通勤通学で毎日短距離のみ使用する場合毎日帰宅してから翌朝まで充電しておけば途中でバッテリーが切れる心配はないでしょう。
また、一度の充電に掛かる電気代は十数円程度と非常に経済的です。
毎日往復50kmの通勤をするとしたら、ガソリン車で100円程度、電車やバスなら500円程度は掛かってしまいます。
1年間積み重なると10万円ほどのコストを削減できることになります!
電動バイクのデメリット3:車体価格が高い
プラグインハイブリッドや電気自動車が普通のガソリン自動車よりも高い価格で販売されているのと同じように、電動バイクも高めの価格設定がなされています。
自転車と原付バイクを比較するようなものなので当然といえば当然なのですが、やはりその金額に購入をためらってしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに、電動バイクの導入には初期費用が高く付いてしまいます。しかし、車体価格の差は日々のランニングコストの安さですぐに取り返すことができます。
例えば、先程も少し触れたように充電に掛かる電気代は1回あたり十数円(数十円ではありませんよ)ですし、メンテナンスに掛かるコストもあまり掛かりません。
なぜなら数ヶ月ごとに交換が必要な消耗品が少なく、ウィンカーやブレーキランプなどの保安部品の球切れ程度しか気にすることがないからです。
電動バイクの保安部品はほとんどがLED化してありますので、そうそう球切れの心配もないでしょう。
1年もすれば電動バイクとそうでないものとの価格差は埋まってしまうはずです。
電動バイクのデメリット4:ヘルメット着用が必須
公道で走ることのできる電動バイクは、定格出力600W以下のものが原付一種に分類されます。
ナンバープレートの取得や自賠責保険への加入はもちろんのこと乗車する際にはヘルメットの着用が必須です。
今まで公共の交通機関や自転車を使った移動しかしたことのない方にとっては、ヘルメットを被るという行為自体が鬱陶しくて仕方がないかもしれません。
しかし、細いタイヤ・軽い車体で時速30kmほどの速さで走る電動バイクはバランスが不安定なところもあり、何かにぶつかれば簡単に転倒してしまうでしょう。
自分の身の安全を守る為にも、乗車用ヘルメットを正しい方法で着用しましょう。
電動バイクのデメリット5:ルールが変わりやすい
電動バイクは、CO2削減のために注目され始めた、環境に優しい新しい乗り物です。
現状、運用ルールは原付バイクのものが適用されていますが、運用ルールは見直されていくでしょう。
実際に、大都市圏では『LUUP』という電動モビリティのシェアリングサービスが行われています。
このサービスでは、政府の特例措置のもと実証実験としてヘルメットの着用は任意で公道走行が可能です。
但し、現状ではその他の電動バイクは原付バイク以上の二輪車という扱いです。
運転する際には道路交通法を守らなくてはいけません。もしも交通ルールに違反した場合、重たい罰則を受けることになります。
以下に、主な罰則をいくつか抜粋してご紹介します。
違反行為 | 違反点数 | 罰金 | 懲役 |
酒酔い運転0.5mg以上 | 35点 | 100万円以下 | 5年以下 |
無免許運転 | 25点 | 50万円以下 | 3年以下 |
酒気帯び運転0.25mg以上 | 25点 | 50万円以下 | 3年以下 |
酒気帯び運転0.25mg未満 | 13点 | 50万円以下 | 3年以下 |
無保険運行(自賠責保険) | 6点 | 50万円以下 | 1年以下 |
携帯電話使用等(通話や注視) | 6点 | 30万円以下 | 1年以下 |
電動バイクの運用ルールはまだ定まりきっておらず、実証実験を繰り返すことで随時見直されていくでしょう。
道路交通法が改正されてルールの変更が今後も出てくると思います。
常に正しいルールをしっかり把握できるよう、アンテナを張っておきましょう。
電動バイクのデメリットまとめ
ここまで、電動バイクのデメリットを5つご紹介してきました。
電動バイクのデメリット
- 一度に走れる距離が短い
- 充電には時間がかかる
- 車体価格がやや高め
- ヘルメット着用が必須
- ルールが変わりやすい
それぞれのデメリットにはそれをカバーできるメリットなどがありますので、悲観することはありません。
まず、一度に走れる距離は短く50km程度ですが、電動バイクのバッテリーは家庭用コンセントから簡単に充電することができます。
また、キックボードタイプや自転車タイプの電動バイクであれば充電が切れても自分の足で漕いで動かすことも可能です。
次に、充電が切れてしまった場合、充電するのに1時間〜数時間掛かってしまいますが、帰宅後に毎日充電しておけば翌日には充電は完了しています。
また、充電に掛かる電気代は十数円程度なので非常に経済的です。
そして、車体価格は少々高めですが、その分電気代やメンテナンスに掛かる費用が圧倒的に安く、乗り続けるほどにお得になります。
1年間で10万円近くのコスト削減が可能です。
今までヘルメットを被る習慣がなかった人にとっては、ヘルメットの着用は非常に鬱陶しいことかもしれません。
しかし、ヘルメットを被ることで安全性は格段に上がります。
ちゃんとした乗車用ヘルメットを正しい方法で着用するようにしましょう。
最後に、電動バイクはまだ実証実験が行われている段階です。
今後はヘルメットの着用が不要になったり、自転車の延長という扱いを受けるかもしれません。
常に新しい運用ルールを把握しておきましょう。交通ルールを守って、楽しく快適な電動バイクライフを送ってください!