
『電動バイクは維持費が安い』
電動バイクに注目している皆さんなら必ず耳にするフレーズではないでしょうか?しかし、どういう理由でどれくらい安いのかをご存知ですか?
今回は、電動バイクのメリットである『維持費の安さ』を徹底解剖していきます。
安い維持費のポイント
- 燃料代が安い
- メンテナンスが簡単
目次
燃料代が安い
燃料代、つまり電動バイクでは『電気』、一般的な原付バイクではガソリンのことです。
満タン状態での航続距離は?
満タン状態を比較すると、
- 『電気』では30〜100km程度
- 『ガソリン』では、300〜500km程度
走ることが出来ます。
この、満タン状態での航続可能距離だけで比較すると『電動バイクって全然走らないんだな』という印象を受けるかもしれませんが、電動バイクの魅力は維持費の安さです。
原付バイクの使い方を考えてみてください。新聞配達やデリバリーなどの仕事で使わない限りは通勤や通学で使用する方が多いと思います。数百kmの航続距離は必要ないですよね?
また、走行距離が限られているので無駄な寄り道が減って、余計な買い物をしたりするのを抑制できるかもしれません。
以下、電気代とガソリン代について比較していきます。
電動バイクの燃料(電気)代

引用元:XEAM(notte)公式ページ
Aさんの場合
20代男性
身長170cm
体重60km
移動場所:東京23区内
移動距離:往復20km
使用用途:大学への通学
乗車頻度:週5日
充電時間:1日 約2時間
電気料金:1日 約10円
XEAM公式サイトで参考として載っていたAさんの場合を考えてみるとこのような結果になります。
電動バイクによって、バッテリー残量0%から100%までの充電時間は異なりますが、毎日定量の電気を充電するのに必要な電気代には大差がありません。
どの電動バイクでも、20km走れないということはあまりないので、1日あたりの電気代が10円程度であるというこの数字は非常に参考になります。
電動バイクのバッテリーを充電することは、スマートフォンやノートパソコンの充電を日常的に行っている私達にとってそれほど苦になる作業ではありません。
強いてデメリットを言えば、バッテリーは重量があるので高層階に住んでいたりエレベーターがないようなアパートに住んでいたらバッテリーを持って部屋に上がるのが大変だということでしょうか。
しかし、行動範囲に応じた必要最低限の航続距離を走れる電動バイク(例えば自転車タイプやキックボードタイプなど)を選ぶことでバッテリー重量は抑えることが出来ます。
航続距離の短い電動バイクでも、予備バッテリーやモバイル電源を用意しておくことで航続距離の問題は改善されるので安心してください。
-
-
電動バイクの航続距離を伸ばす方法3選!【長距離の走行も問題ナシ】
電動バイクは電池が小型で容量が少ないモデルが多い為、『航続距離が短い』という弱点を抱えています。
しかし、ちょっとした工夫で倍以上走行距離を伸ばすこともできます。
今回は実際に航続距離を伸ばす具体的な対策方法を3つお伝え致します。続きを見る
原付バイクの燃料(ガソリン)代
Aさんの場合
20代男性
身長170cm
体重60km
移動場所:東京23区内
移動距離:往復20km
使用用途:大学への通学
乗車頻度:週5日
消費燃料:1日 約0.5L
電気料金:1日 約78.7円
油種 | 2021/06 |
---|---|
ハイオク | 166.4円/リットル |
レギュラー | 157.4円/リットル |
軽油 | 138.0円/リットル |
灯油(店頭) | 102.8円/リットル |
灯油(配達) | 121.0円/リットル |
※各月の平均値を算出
参考:資源エネルギー庁
同じ条件でガソリンエンジンの原付バイクの場合を考えていきましょう。資源エネルギー庁によると、2021年6月の東京都のガソリンの価格は、1リットルあたり157.4円です。
1日の走行距離20kmで0.5リットルのガソリンを消費するとすると、1日あたりにかかる燃料代は78.7円です。
満タン状態で走れる距離は圧倒的に長いガソリンエンジンですが、燃料代というコスト面で考えると電動バイクのそれに遠く及びません。
✔電動バイクと原付バイクの燃料代比較
期間/金額 | 電動バイク(電気代) | 原付バイク(ガソリン代) |
1日 | 約10円 | 約80円 |
1ヶ月 | 約300円 | 約2,400円 |
1年 | 約3,600円 | 約28,800円 |
なんと、1年で約25200円の差が出ます。
このことからも電動バイクの維持費の安さを理解できるでしょう。
メンテナンスが簡単
電動バイクの維持費の安さは電気代だけに依存しているわけではありません。
電動バイクは、ガソリンエンジンを積んだモデルと比べて、オイル交換や車検などといったメンテナンスに関わるコストも安く抑えることが出来ます。
それでは、電動バイクとガソリンバイクのメンテナンス費用について詳しく見ていきましょう。
電動バイクのメンテナンス代
電動バイクのメンテナンス費用は、キックボードタイプなのか、自転車タイプなのか、スクータータイプなのか等によって変わってきます。今回はスクータータイプを例に上げて解説していきます。
キックボードや自転車タイプであればこれより安く抑えられるでしょうし、モーターサイクル型でも同じくらいの金額に収まるでしょう。
電動バイクのメンテナンス費用
- 12ヶ月点検 5,000円
- タイヤ交換 20,000円(2年に1回程度)
- ブレーキパッド交換 5,000円(2年に1回程度)
- バッテリー交換 100,000円(4年に1回程度)
12ヶ月点検
12ヶ月点検は、法定点検と言ってすべての自動車に義務付けられた定期点検です。
12ヶ月点検実施項目
- エンジンオイルの点検や交換(ガソリン車のみ)
- 冷却液の点検や交換(ガソリン車のみ)
- チェーンの遊びや張りの点検(車種による)
- チェーンの注油や清掃(車種による)
- タイヤの摩耗、空気圧の点検
- ブレーキの摩耗の点検
- クラッチワイヤーの注油(MT車のみ)
- エアクリーナーの清掃や交換(ガソリン車のみ)
- 排気漏れの点検(ガソリン車のみ)
- サスペンションの点検
- オイルフィルターの交換(ガソリン車のみ)
- スプロケットの摩耗の点検(車種による)
- バッテリーの点検や交換
- スパークプラグの点検や交換(ガソリン車のみ)
赤字の項目が電動バイクでも点検が必要な項目ですが、メーカーや車種によって項目が異なることが考えられますので購入を検討中のメーカーへ確認してみましょう。
スクータータイプの場合なら近くのバイクショップやバイク用品店でも点検を実施してくれるかもしれません。点検費用の相場は5,000円程度ですが、店舗によって金額はまちまちです。
お近くのバイクショップやバイク用品店で、メンテナンスの価格表を確認してみましょう。
その他の交換部品
タイヤやブレーキパッド、バッテリーなどはざっくり2年から4年に1度を交換の目安として記載しましたが、実際のところは使用状況によります。
タイヤの品質や走行距離によっては早く摩耗してしまうかもしれませんし、バッテリーの容量や、電動バイクのタイプによっても異なるでしょう。
法定点検の度に異常があれば交換するという具合で問題ないと思います。そのため、毎年固定でかかってくるメンテナンス費用は5,000円程度となります。
こんなに安く収まる自動車は他にありません。月々のランニングコストを抑えることができれば、他に必要なものや趣味の為に使うお金が多く確保できるので嬉しいポイントですね♪
原付バイクのメンテナンス代
項目 | 金額 |
12ヶ月点検 | 5,000円 |
オイル交換(半年に1回) | 2,000円 |
タイヤ交換(2年に1回程度) | 20,000円 |
ブレーキパッド(2年に1回程度) | 2,200円 |
厳密にはもっとたくさんの消耗品がありますが、最低限12ヶ月点検と半年に1回オイル交換をしたとして年間のメンテナンス費用は1万円程度。
定期点検の度に異常がある箇所を交換するというのは電動バイクと同じです。電動バイクよりも交換が必要な消耗部品が多いのである程度現金でメンテナンス費用を確保しておくと安心です。
その他共通で掛かる維持費用
項目 | 金額 |
軽自動車税 | 2,000円 |
自賠責保険 | 7,070円 |
任意保険料 | 36,000円 |
その他、原付バイクにも電動バイクにも必要になってくる費用があります。それは税金と保険料です。
原付バイクの軽自動車税は年間2,000円です。購入した次年度から請求されますので通知が来たら忘れないように支払いましょう。
自賠責保険料は加入期間によって割引が適用されますが、7,070円というのは12ヶ月分の保険料です。長い期間で加入するほうが非常にお得なので長めの保険期間を選択するといいでしょう。
自賠責保険期間 | 12ヶ月 | 24ヶ月 | 36ヶ月 |
自賠責保険料 | 7,070円 | 8,850円 | 10,590円 |
その他任意保険料は年齢や運転歴、車種によっても異なるので一概には言えませんが1ヶ月3000円前後になるのではないでしょうか?
任意保険については別記事で詳しく解説しているのでそちらをご確認ください。
-
-
電動バイク購入後に任意保険に入るべき理由と必要なプランまとめ
任意保険は、加入していなくても違反ではありません。しかし、何かあった時のリスクが大きすぎるので任意保険には必ず加入するべきです。
今回は、電動バイクでも任意保険に加入するべき理由と、加入する際に入っておくべきプランについて解説します。続きを見る
まとめ
今回は、原付バイク(ガソリン車)と比較して電動バイクの維持費の安さを徹底解剖してきました。通勤や通学に使う場合、電動バイクの航続距離の短さは大したデメリットではありません。
維持費の安さを考えるとガソリン車の原付バイクを買う理由はよほどの中古車を安く購入する以外にはあまりないと言えるのではないでしょうか?
今回比較した維持費をわかりやすく表にまとめてみましょう。
年間維持費 比較 | 電動バイク | 原付バイク |
軽自動車税 | 2,000円 | |
自賠責保険 | 7,070円 | |
任意保険 | 36,000円 | |
燃料代(1日20km) | 3,600円 | 28,800円 |
12ヶ月点検 | 5,000円 | |
オイル交換 | ー | 2,000円 |
タイヤ・ブレーキパッド等 | 12,500円 | |
その他消耗部品 | +α | +α |
合計 | 約70,000円 | 約100,000円 |
工賃の安いバイクショップを探したり、自賠責保険期間を長くしたりすることでさらに維持費を安く抑えることが可能です。
また、今回はスクータータイプの電動バイクを想定しているので、キックボードや自転車タイプならより一層維持コストは安く抑えられるでしょう。
今回の記事を参考にして、電動バイクで対応できないような長距離を日常的に走るのならガソリンエンジンの原付バイクを、そうでないのなら電動バイクの購入を検討してみてはいかがでしょうか?